1.はじめに

世界にあふれる物語は
文字となって紙に乗り
時空を超えて私たちの時代にやってきました
日本では和紙の古典籍、古文書などが
雄壮な戦国絵巻、せつない恋物語、怖くも魅かれる妖怪伝説
そして全国の多彩な歴史を今に伝えます

そんな古い書物は文字のみならず、なんとむかしの生き物も包み込んで残していたのです
ちいさな命と共に暮らした、昔の日本
生き物は原料の和紙に漉き込まれたり
読書後の本に挟まることがあったのです

しなやかで強い和紙をタイムマシンに現代へやってきた昔の生き物のなきがらはしかし
ゆえなく殺虫剤をかけられるか
ゴミだと息でふきとばされて「おしまい」になっておりました・・・

・・・そこで
「おしまい」にせず
そのなきがらと古文書を融合したところ
文字にはないあたらしい世界があらわれました
時と場所の要素が詰まった彼らは 情報の宝庫だったのです
〜最大級の多様性を誇る昆虫が、時を超えて伝える物語です〜

  • 本サイトは管理者深川博美の研究「古文書昆蟲学」において集めたデータの蓄積・活用・公開を目的として、生き物文化誌学会の助成金を受けながら2018年に開設したものです。
  • 本学は、意図的に収集する標本とは違う生物と、古文書の持つ時代と地域のデータを融合させて、生物遺体の存在を生物学的考察により「翻訳」し、過去の環境を復元します。
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